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「行動」だけでなく、「思考」も模倣して結果を出した。営業未経験の元ホテルスタッフが、4年でマネージャーになれた理由

入社4年でプロジェクトリーダー(現・マネージャー)として、現在約50名のメンバーを束ねている天野 圭介。ホステルスタッフという異業種からの転職でありながら、短期間でプロジェクトリーダーへと昇格できた背景には一体何があったのでしょうか? キャリアのきっかけや転職後の戸惑い、プロジェクトリーダーに抜擢された理由などを伺いました。

<話を聞いた人>
天野 圭介(あまの・けいすけ)
大学卒業後、ホステル勤務を経て2017年7月にセレブリックスに入社。プレイヤー、チームリーダー、複数のプロジェクトマネジメント業務を経て、2021年にプロジェクトリーダー(現・マネージャー)に昇格。現在は約50名のマネジメントを担当。

こちらの記事は2022年1月にタレントブックで配信されたアーカイブ記事になります。

ホステルスタッフから営業へ。異業種に転職を決めた理由

2017年、当時24歳でセレブリックスに入社した天野。入社するまでのキャリアについて教えてください。

天野 「4年制大学を卒業後、2年間フリーターをしていました。新卒で内定をもらっていたのですが、留年をしてしまい内定取り消しになってしまって。卒業してからは知人のお店でバーテンダーとして働いていました。

働いていく中で、次第に語学を活かした仕事に就きたいと思うようになったんです。学生時代にフィリピンへの留学経験があり、日常会話ができるレベルだったので、1年バーテンダーを経験したあとは、外国人旅行者向けのホステルでアルバイトとして働くようになりました」

企業に就職しようとは思わなかったのでしょうか?

天野 「すぐに就職してもよかったのですが……『自分ならなんとかなるだろう!』という根拠のない自信が強く、当時は企業に就職にしなくてもいいのでは、と思っていたんです(笑)。

在学中、学外での活動が多く同年代よりも年齢が離れた社会人や経営者の方々と接する機会が頻繁にありました。目上の方との関わりを通して“コミュニケーション力”が自分には備わっていると思っていましたね。ですがセレブリックスに入社後その自信は勘違いだったとわかるんですが、その理由は後にしましょうか、きっとこの後の話につながってくると思うので」

勘違いだった理由……そのお話を楽しみにしつつ、では、なぜ接客の仕事から営業職へ?

天野 「年収が私の希望するものよりも低かったのが大きな理由です。ホステルスタッフ時代は、イメージ通り英語を使った仕事ができて楽しかったですし、正社員登用の話もありました。

ただ、提示された年収が低かったことと、接客業を追求していく熱意が同僚と比べて少なかったなと。年収面だったり、熱意の部分だったりで、自分の条件に合う面の多い営業職への転職を決めました。当時は未経験から営業にいくことに対しても、根拠のない自信に溢れていたので特に不安もなかったですね」

コミュニケーションは発信だけでなく「受信力」も重要になる

2017年7月に入社後、翌年の秋にはチームのリーダーに昇格。さらに2021年4月にはプロジェクトリーダー(現・マネージャー)になっています。順風満帆に見えますが、入社してから苦労したことはあったのでしょうか?


天野
“コミュニケーション力”の意味にギャップを感じました。私が認識していた“コミュ力”というのは、いわゆる“発信力”だったんです。自分が相手を楽しませたり喜ばせたり、面白いことを言う“発信側であること”だと捉えていました。

相手を楽しませ、良い雰囲気で関係性を作るコミュニケーションは営業職にとってもちろん大切です。しかし、セレブリックスでは発信力だけではなく“受信力”も重視されていて。

まずは相手から情報を引き出し、営業に必要な事前準備をする。クライアントの分析やミッションの理解など、引き出した情報をもとにニーズを探っていく“受信力”が大切であることにギャップを感じました。今までコミュニケーションスキルには自信があったからこそ、ビジネスでの“コミュ力”に鼻をポキっと折られた気持ちになりましたね(笑)。

このギャップは当社のメソッドを活用したり、研修や自分で勉強したりするなどして学びつつ、営業のなかで実践して鍛えていきました」

コミュ力には「受信力」が必要になる。とても参考になりました! 営業未経験ながら、入社後セレブリックスで活躍するに至った背景には何があったのでしょうか?

天野 「当時の上長だった、山本 功也(現・ゼネラルマネージャー)から『物事には全て背景がある』と教えていただいた言葉が教訓になっています。

ある営業先で失注してしまったことがありました。先方にこの提案が通らなかった理由を聞くと『今はまだいいかなと思いました』という答えが返ってきたんです。

私は素直に『まだいいのか』と受け取って帰社したときに『今はまだいい、というのは人によって背景が違う。今は予算を捻出できないからダメなのか、予算はあるけど商品に魅力を感じていないからダメなのか。何かしら背景があるはずだから、そこを確認しないと、次に同じことが起こったときに対応ができないよ』と言われて。その言葉によって物事の背景や構造を強く意識するようになりましたね。

私も山本と同じような思考ができるように、『思考をトレースする』ことを意識していました。私が考えたことが果たして山本の答えと合っているか、1年ほど何度も答え合わせをしていただき、今では同じような考え方ができるまでに成長したと自負しています」

“確動性”の高さが持ち味。4年でプロジェクトリーダーになれた理由

現在の仕事について教えてください。

天野プロジェクトごとの現場の最終責任者であるプロジェクトリーダー(現・マネージャー)
を担っています。現在は13のプロジェクト、企業数は6社、メンバーの規模でいうと約50名を束ねています。

プロジェクトリーダーのミッションは大きくふたつ。ひとつはお客さまに対して成果の提供や成果以外の営業戦略などを納品すること。もうひとつが人材育成。プロジェクトの中にあるチームのリーダーを育てるのが主なミッションです」

入社4年でプロジェクトリーダーへ昇格していますが、短期間で結果を出すために、日々心がけていたことはありますか?

天野 「やはり『思考をトレース*する』を意識して仕事をしていましたね。

能力が高い人や役職として私よりも大きなものを背負っている人は大勢います。そんな人たちが日々“何を言っているのか”ではなく、日々“何をどう考えてその言葉が出ているのか”を意識して仕事をしていました。

その人たちの頭の中を再現できるようになれば、全く同じことができるようになると思ったんです。同じことができるようになれば成長に繋がっていく。そんな思考を意識的に取り入れていました」

*「トレースする」=手法を真似するだけでなく、どう考えてその方法を取り入れたのかまで考える事

自身を客観的に見て、なぜリーダーに抜擢されたと思いますか?

天野 「『物事を着実に進めていくことに対して信頼を得ているから』だと思います。先日、上長の影嶋 和洋(現・営業支援事業部 部長)から上期のフィードバックがありました。私の評価についての説明で、『何事も高い水準で着実にやってくれる。“確動性”(※)が高い』という言葉をかけてくれたんです。

お客さまへロジカルな営業戦略の提案やメンバーの育成など、やるべきことを着実に進め、ハイパフォーマンスを発揮しているところを褒めていただきました。それがプロジェクトリーダーに抜擢された理由のひとつだと振り返っています」

(※)確実に動いていく力。造語。

複数のプロジェクトのマネジメント経験で、仕事観に変化はありましたか?

天野仕事を個ではなく集団で捉えられるようになりました。セレブリックスへ入社する前もチームとしてさまざまな人と働いていたものの、アルバイト形態だったことや若かったこともあり、『自分の働き=自分の給料』という意識が強かったんです。今は私の働きによって『関わってくれている人たちの給料自体も変わるよね』という意識を持てるようになりました。

メンバーそれぞれの人生に関わっている感覚も強くなり、仕事への責任感がガラリと変わりましたね」

「経験」ではなく「スキル」ベースで自己分析をしよう

最後に、未経験で営業を目指している方、セレブリックスに興味がある方へひとことお願いします。

天野企業が採用するときに見るのはスキルだと思っています。スキルがある証拠として、これまでの経験を提示していくといいですね。

私は面接も担当していますが、『これまでこんな経験をしてきたので御社で働けます』と言われても信じません。未経験でも『今までの経験から〇〇のスキルが高いと自負しています。営業職でもこんなふうに応用できると思っています!』とアピールできる人の方が信頼できますね。

経験ではなくスキルに着目して自己分析をし、同時に営業職を知ること。営業職で問われているスキルは一体何か、それが今の自分に足りているのか、今後伸ばさないといけないのか、スキルベースで考えていくのが大切だと思いますよ」


<取材後記>

「直近1年ほどで社内では『分析・ロジックといえば天野だよね』と言われるようになりました」と話してくれた天野さん。取材中も和やかな雰囲気で、わかりやすく丁寧にコミュニケーションを取る姿勢に、未経験ながらプロジェクトリーダーに昇格するまで、地道な努力を積み重ねていかれた方なのだなと思いました。未経験での転職でも努力と行動によってステップアップができる。天野さんの姿にそう感じました。

<この記事を書いた人>

田中青紗

フリーライター/エッセイスト。取材やインタビュー、コラムやエッセイ等の記事作成を行っています。note:https://note.com/tanakaasa_life


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