営業の役割は「ビジネス開発」へ。セレブリックスが「選ばれ続ける組織」になるために大切なこと
2005年に新卒3期生としてセレブリックスに入社し、2020年現在は執行役員セールスカンパニー 本部長と新卒・中途採用の採用人事責任者を兼任する北川 和毅。事業責任者と採用責任者としての顔を併せ持つ彼が考える、営業の在り方と営業支援ビジネスの醍醐味、そして目指す組織像をお伝えします。
営業支援ビジネスを取り巻くマーケットの変化
私はセレブリックスに入社して今年で15年目になるのですが、2020年現在、営業支援のマーケットに大きな変化を感じています。
今でこそ当社はさまざまな大手企業とも取引させていただいておりますが、私が入社した2005年ごろは「営業は会社の花形ポジションなんだから、外注するわけがない」と言われていたんです。当時は「うちと取引したいでしょ?」というスタンスのクライアントも多かったですね(笑)。
当時と比べ、SEやプログラマーといったエンジニアを自社で採用する会社が増え、SaaSやクラウドといった事業が浸透し、企画やマーケティングを行う人材の採用が強化されるようになっています。その結果、営業の採用ボリュームが減っているんです。
プロダクトを強化することができればマーケットを独占できるという考えが一時期流行っていたのですが、マーケティング活動によってリードが増えていった際に、ある程度の部分までは顧客を増やすことができるものの、拡大期に入るためには、組織としてやはりセールスの力が必要になってきます。
これまで通り営業の組織をまた自社でつくっていくのではなく、経験やスキルを持つ信頼できるパートナー企業を見つけたほうが確実では?と考えるようになったことが、市場の大きな変化ですね。
当社のクライアントは、ベンチャー企業と大手企業のふたつに分かれています。ベンチャー企業は、シリーズA〜Bを迎えたタイミングが多く、これから本格的に営業活動を勧めていくうえでのセールスデザインを行っています。先方のマーケティングチームと一緒になり商品の企画設計の部分から入り込んで行う形ですね。
大手企業は、既存事業の枠組みを超えていこうとしている会社が多いです。これまで中心となっていた商材ではなく、BtoB向けのマーケティングの仕組みであったり、サービスであったりを提供していこうと考えています。新しい事業の立ち上げや拡大において役立つ、セレブリックスのノウハウを提供しています。
営業は「なりたくない、就かせたくない職業」として名前をあげられることがありますが、本来はビジネス開発に直接関わることができる重要な仕事なんです。事業をつくるという観点で仕事してみたい人にとっては非常におもしろい職業だと思っています。
営業の仕事は「売る」だけじゃない。私たちはプロセス至上主義である
営業という仕事は単に「売る」という仕事ではなく、ビジネス開発がこれからの役割である、と私が身を以て実感したのは、マネジメントを担うようになってからです。
私が営業代行事業のマネージャー職になったのは2011年頃のこと。これまではセレブリックスの商材を売るという仕事しかしていなかったのですが、マネージャー職になったタイミングで組織編成があり、売ることだけではなく、営業支援の納品についてもマネジメントをしてほしいという話をもらいました。
今でいうカスタマーサクセス(継続率とLTVを最大化することをミッションとする組織・職能)にあたるのですが、これまでのように売った後は引き継いで任せていく体制だったものが、顧客と中長期的な関係性を築くスタイルに変わっていきました。そうなると顧客から「どうしたらいい?」と相談される機会が増えていったんです。
そうした相談に答えるなかで、クライアントにとって役立つ情報や意味のある情報は、当社のメンバーが商談で掴んできた事実が元になっていることに気付きました。たとえば、クライアントの商材を買わないと答えた対象顧客のうち40%が値段についてネックに感じているから、価格の提示をいくらにしたらいいか……といったお話です。
そこで私は、売れた・売れないという結果だけでなく、商談のプロセスで得られる情報をどうクライアントの事業に還元していくかを考え始めました。VOC(*1)を集めてレポーティングすることで、事業を変化させることができれば、セレブリックスとしても大きな発展ができると感じたんです。
結果として、新たな価値を見いだすことができるようになり、私たちは創業以来大事にしているプロセス至上主義をより強く伝えるようになりました。なぜ売れるのかという兆しと、なぜ売れないのかという顧客の買わない理由を見つけることがまずやるべきことであり、ファーストステップだとお伝えするようになりました。
選ばれ続ける組織になるために。メンバーの感性が磨かれる環境をつくる
2018年頃から、会社としてマーケティングやブランディングにも力を入れるようになりました。それまでのセレブリックスは長年社内に蓄積していたさまざまなノウハウや情報を社外に伝えるということをしていなかったのですが、それらを自社内だけに留めていて良いのかという議論が上がるようになりました。そこから新たな部署を立ち上げ、マーケティング責任者を抜擢して積極的にマーケットに情報を届けることにしたのです。
今後はセレブリックスの一人ひとりがどんな想いを持って、どんな風に働いているのかを社外に伝えていったうえで、そこに共感できるメンバーを増やしていきたいと考えています。
これまでセレブリックスは個人として組織として営業力を高めることに注力しており、研修制度を充実させてきました。50を超えるさまざまなスキルアップ研修を毎週2回開催するカフェテリア研修制度といった仕組みをつくったり、知識の幅を広げるための外部研修の制度にも力を入れたり。
ただ、事業拡大に伴い年間の採用数も100名を超えることがここ数年当たり前になり、新しい人材が増えていくなかで、個人のスキルや知識を強化するだけでは、人に顧客に選ばれ続ける組織にはなることができないと感じています。
各メンバーが営業のスキルやテクニックを高めることはとても重要です。しかし、クライアントやパートナーとの長期的な関係性を構築していくために、最終的には対面に立っているメンバー自身の物語を知ってもらい、「この人と仕事をしたい!」と感じていただけることが大事になってくると考えています。
だからこそ、メンバー個人がスキルだけではなく、それぞれの感性を磨くこと。そして、それを後押しできる環境を用意したいです。
マネジメントは人の側面と、仕事の側面を両方見るものと学びました。ただ、ひとつの側面も円でいうと10分の1しかなく、その側面だけで人を判断してしまうような文化にはしたくありません。多面的に物事を見ることを当たり前と思えるような、理解のある集団にしていきたいんです。
気が合う、尊敬できる、好きだ、といった心を動かす感情はどれだけスキルや実績が合ってもつくりだすことはできません。社員の想いを伝えていくことで、共感できる人を仲間にしていきたいですね。
ひとりでは何ひとつ完結させられない。だから私は組織に想いと願いを込める
私はセールスカンパニーで本部長を任されているのですが、今期からは新卒・中途採用の採用人事責任者も兼任しています。これまで、セレブリックスの人とノウハウを売るビジネスを主軸にしてきたからこそ、「人」に一番ありがたみを感じ、多様性を認められるのではないかと任せてもらった形です。
私は、人を活かして組織やチームのなかで成果をつくっていくことが好きな人間です。0から1を生み出すことはできないのですが、みんなの力を活かしながら10を100にすることはできる。そのため、組織に対する思い入れは人一倍強いのかもしれません。
今後はセレブリックスの事業を拡大し、マーケットのなかでも確固たる地位を築き、セレブリックスの居場所をつくっていきたいと思っています。
そのためにはまず、メンバーそれぞれの居場所をつくることが私の役割です。それぞれの事業のなかで、メンバーが自分の力を発揮しながら「やりがいがあって楽しいんです、めっちゃキツいですけどね!」と笑っているような空間をつくっていきたい。
セレブリックスが事業を拡大し、メンバーがそれぞれの居場所を見つけ、クライアントはその恩恵を受けて事業を変えていくことができるという、きれいな一本筋を描くことができれば、本当にこの会社で働いていてよかったと思える気がするんです。
私自身、新卒入社をしてから、ひとりでは何ひとつ完結できないことを学び、自分の頑張りが誰かのためになるという働き方を知りました。だからこそ、個人としてスポットライトを浴びることよりも、セレブリックスをより良い組織にしていくことに力を注ぎたいと思っています。
ただ、人によって自分の居場所を見つける時間は変わってくるので、すぐに見つからなくても焦らずじっくりやっていってほしいですね。
自分の役割や価値を高めるのは簡単な道のりではありませんが、いろんな人を巻き込み成長していくなかで、居場所が実現していくものだと思っています。セレブリックスがその力となれる組織になることを本気で願っています。